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author:すなっふ

田舎者から東京都民になりました。
「unsnuff」という名義で、ソロで音楽活動をしています。
が、音楽活動の宣伝はTumblrに移行しましたので、このブログでは音楽活動に関係のない内容(好きな音楽や映画のレビューなど)についてゆるりと書いていきたいです。

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11/25

村上春樹の「羊をめぐる冒険」を、今更ながら読み始めました。今日。
そう2009年11月25日。

して、上巻の最初のページを開いて、びっくり!!

一番最初に書いてある文字、

1970/11/25

と書いてあるではないの。

そう、この話どうやら1970年の11月25日に物語が始まるようです。
最初は「お、ちょうど今日じゃん」なんて軽く考えたんだけど
これってよくよく考えるとすごくないか?
そう思うのは俺だけでしょうか。
すごい偶然だと思うのですが。

まだ全く読み始めだし、小説読むのが亀並みに遅い僕なので
まだまだ読み終わるのは先になりそうですが
なんだかこの出会いが運命的ななにかを引き起こしそうな気が、する!

ええ、私はこう見えてロマンチストなのです。

僕が生まれて初めて読んだ小説が(国語の授業とかを抜かしてね)
村上春樹の「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」でした
そして未だにこれを超える小説には出会っていない。
同氏のノルウェイの森もかなりの衝撃だったけど
それだけ村上春樹の作品には影響を受けているし
自分の感性の底に根付いているように思う。

…ので、この小説もなにかしらの
衝撃を与えてくれるのではないかと、期待を抱き
2009年のうちに読み終われればいいなあ。

なんせ最近「カイジ」ばっかり読んでるからなあ。
文学分を補充しないと。

| すなっふ | | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
キーチ!!

新井英樹「キーチ!!」読みました。全9巻。
新井英樹は「ザ・ワールド・イズ・マイン」と「宮本から君へ」をすでに読んでいてすごく好きなマンガ家だったので、割と新しめなこの本も読んでみました。9巻までは子供編…ということで、このあと「キーチVS」という大人編に突入するみたいですがとりあえず子供編の感想を。

主人公である幼稚園児、染谷輝一(キーチ)が辿る数奇な運命、子供ながらに受け入れる生と死、そして小学生へと成長し、自分が汚いと思うことを極端に嫌うキーチが、常識・法律といった歪んだ正しさに戦いを挑むという内容。

小学生に成長してからの内容は完全に「正しさとは何か?世間とは?」というようなメッセージ性の強いものになっていて、非常に社会批判的なものである。なかなか急な展開でまさに新井英樹ならではの突っ走り方だけど自分は嫌いじゃない。
そして批判的な内容にしながらもあくまで「漫画的」な、綺麗な展開も新井英樹らしい。あまりに現実的な内容ではなく(それなら論文を書けばよい)、漫画という展開のロマンチックさや娯楽性も取り入れているように思う。そういうところが新井英樹のいいところだと僕は思う。

またこの漫画は基本的にキーチを英雄に見立てた漫画ではあるが何もキーチがすべて正しいわけではない。それはきちんと漫画の中でも描かれていて、誰しもが正論を言っているような描き方を作者もしている。考えるに、作者の伝えたい内容がすべてキーチや副主人公のカイの中に書かれているのではないのだろう。あくまで作者は登場人物を先に立てたうえで、このキャラクターならこういうだろう、こう動くだろうという書き方をしているのだと思う。新井英樹の漫画はそこにリアリティがあり、自然さがある。そのうえで結果的に社会批判性の強い漫画となってしまったのかもしれない。

いわば子供の持つ「正論」を究極なところまで持って行き、大人の「正論」とぶつけさせた漫画ともいえる。

読む人がキーチをかっこいいと思うか、誰が正しいと思うかはそれぞれだろう。しかしこの漫画が「正しさ」を説く漫画だとしたらそう思わせることこそがこの漫画の「力」なのだと思う。

しかし、この漫画は「ワールドイズマイン」とやってることが非常に似ていて、そこはちょっと気になった。
主人公がイカレてて、相方は関西弁の超饒舌で、権力に対抗してそれがメディアに取り上げられるって内容が全く同じ。まあ、ワールドイズマインは完全に「暴力」でしかないんだけど。
そうなってくるとどうしてもワールドイズマインと比べてしまって、そうするとキーチは少しイマイチにも思えてしまう。ワールドイズマインは自分の中でかなりの名作なので。
というのもキーチは少しだけ展開が綺麗すぎる(好みの問題ですが)し、逆に批判漫画にしては中途半端で、方向性がよくわからないのも正直なところ。
ちょっと突っ走りすぎた感じも否めないように思った。

まあそれでも十分に面白い漫画ではあると思います。
大人になったキーチを早く見たい。大人編も読んだらまた書きます。

| すなっふ | | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
センセイの鞄

きましたきました。「孤独のグルメ」「散歩もの」でおなじみ谷口ジローの新作。その名も「センセイの鞄」でございます。
しかし今回はあのいつものタッグではありません。原作はなんとあの小説家・川上弘美。
そういえば孤独のグルメ新装版の巻末に川上弘美を交えた対談が載ってたもんなぁ。
今回は川上弘美の小説を漫画にしたものです。
…それにしても表紙デザインが「散歩もの」とほとんど同じ…本屋で見てすぐにわかったよ。

さて何と今回は恋愛モノ。谷口先生もこんな恋物語を描いたのは初めてだ、と帯で語っております。
実は同じ酒屋の常連だった、OL月子とその高校時代の教師である「センセイ」。あるとき隣の席になり、肴の趣味が合うところから意気投合。その後も微妙な距離を保ちながら二人で酒の席を重ねていきます。

今までの作品と異なるのは、一話一話で完結するタイプではなく話がしっかり続きになっているということ。淡々とですが物語が進行していきます。だんだんと距離が縮んでいく二人。本当に少しずつ、少しずつ、何も変わらないように進んでいく。そのスローなテンポがまた心地いい。

しかし一冊読み終えて大変なことに気づいてしまった…。


なんとこの本、「第1巻」だったのです!!!!!!!


しまったあああああああ今までの作品と同じ感覚で、一冊完結だと思っていた…。
終わりません。二巻に続きます。
スローなテンポでありながら二人の関係がこれからどうなっていくのか、気になって仕方がありません。
完結したらもう一度ちゃんとレビューを書きます。

しかし原作者が異なっても谷口先生のマンガはやはり谷口先生のものだなあと思う。
それは物語ではなく、たとえば「間」だったり、心情の内側をとことん描くところだったり…。
「孤独のグルメ」「散歩もの」とは違った毛色の物語ではあるけど、谷口漫画のファンにはぜひ読んで欲しいところです。

| すなっふ | | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
虹ヶ原ホログラフ/浅野いにお
評価:
浅野 いにお
コメント:虹ヶ原ホログラフ

僕は浅野いにおの漫画があまり好きではないのだが、この作品は面白いと思った。逆に、「浅野いにおは好きだけどこれは受け付けない」という人もいるようだ。そんな浅野いにおの問題作がこの「虹ヶ原ホログラフ」である。全1巻。

その理由の一つはまず、非常に難解であるということ。
いくつもの時間軸が同時に存在し、現実と非現実が交錯する世界が描かれる。深く読み解いていかないと、キャラクターの人間関係や、時系列、物語の核を見失ってしまう。
そしてもう一つの理由は、圧倒的なまでの「暗さ」だ。残虐であり、陰鬱としていて、性的描写も多くある。全ての人物に救いがないその物語に不快さを覚える人も多いだろう。

物語は虹ヶ原を舞台に、ある小学校でつながる人物たちをめぐって進行する。1話ごとに過去と現在を交互に描き、その二つが繋がっていきながら物語は核へと向かっていく。
陰鬱な内容とは対照的に、「蝶となった魂が世界を見守る」というどこかメルヘンチックなモチーフが全編に重要なキーワードとして描かれる。冷酷な世界の中にファンタジックさを描く、その醜さと美しさを混在させるという描き方はまさに浅野いにおといった感があり、独自の世界観を生み出している。

そしてその中に描かれているテーマもとても彼らしい。それは「生きる」ということである。
「それでも君は生きるんだ」という作中の台詞に代表されるように、どんなに世界が見にくく歪んでいようと生きていかなければいけない、というテーマが作品の根底に込められている。
このテーマは浅野いにおの作品に一貫して描かれているものであり、異色作のようで実はとても彼らしい作品なのだ。
ただ、その難解さと圧倒的な暗さが、他の作品とは違った雰囲気を与えてくる。その雰囲気は漫画の域を越え、芸術的、かつ文学的なものすら感じさせる。この作品はいわば、浅野いにおの視点により切り取られた、残酷な現代の童話なのだ。

物語の構成、世界観、完成度など、他の彼の作品と比べても群を抜いていると僕は思う。醜さと美しさを、おとぎ話のような不思議な世界観の中で見事に混在させ、「生きる」という普遍的な自分自身のテーマを表現した傑作。

| すなっふ | | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
音楽とことば

全13人のアーティストへ向けた、「作詞」にまつわるロングインタビュー集。
参加アーティストは

安藤裕子
いしわたり淳治(ex.スーパーカー)
小山田圭吾(コーネリアス)
木村カエラ
小西康陽
坂本慎太郎(ゆらゆら帝国)
志村正彦(フジファブリック)
曽我部恵一
中納良恵(エゴラッピン)
西井鏡悟(スタン)
原田郁子(クラムボン)
向井秀徳(ZAZEN BOYS)
レオ今井

…と、13人のチョイスも非常にセンスが良い。

それぞれの作詞に対する思い、悩み、手法などが、赤裸々に語られていく。
しかし、それがまた人によって意見が全く異なっていたり、逆に似たような考えを持っていたり
「歌詞」のとらえ方、そして「日本語」のとらえ方が本当に様々で、それもとても面白く読める。
シンプルな言葉のみで伝えようとする人、自分にしか歌えない言葉を歌おうとする人、
自分の伝えたいことを正確に伝えようとする人、解釈を聴き手にゆだねる人…さまざまだ。

音楽をたくさん聴く人にとっては、これから聴く歌の歌詞の聞こえ方は確実に変わるだろう。

そして詞を書く人にとっては、誰かの考えに共感したりしながら確実に影響を受けるだろう。

個人的な話をすると、僕はバンドで詞を書く立場なのだが、
まだ自分が何を書きたいのか、何を歌いたいのかを探ってる状態の僕にとって
その影響は凄まじいものであったし、勉強にもなった。
当然のことだがやはり、彼らは、ものすごく真剣に作詞に取り組んでいるのだなあ、と。

個人的に一番印象に残っているのは、向井秀徳のインタビューでの
「言葉に言葉以上の意味を与えてはいけない」という言葉だ。
また、この本を通して「STAn」というバンドにも出会えたことも大きい。

共感できる考え方も、できない考え方も、すべての思いが歌のように伝わってくる。

彼らは、こうして書いている。

僕たちももっと詞に向き合おう、と思った。

| すなっふ | | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |