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author:すなっふ

田舎者から東京都民になりました。
「unsnuff」という名義で、ソロで音楽活動をしています。
が、音楽活動の宣伝はTumblrに移行しましたので、このブログでは音楽活動に関係のない内容(好きな音楽や映画のレビューなど)についてゆるりと書いていきたいです。

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2014年夏アニメレビュー
◆対象作品
・2014年夏アニメで筆者が全話視聴したもの(途中までしか観ていない作品は対象外)

※点数は10.0点満点。
9.6〜10.0点…びっくりするくらい面白い。神アニメ。
8.6〜9.5点…ものすごく完成度が高く、よく出来ている名作。
7.6〜8.5点…素直に楽しめる秀作。
6.6〜7.5点…惜しいところもあるが面白いし良作。
6.0〜6.5点…色々残念だがなんだかんだで楽しめる作品。
5.9点以下…最後まで見てしまう魅力はあるがイマイチ。
(あくまで目安です)

点数は話の面白さ、作画や演出のクオリティ、アニメとしての魅力などを考慮してつけていますが個人的な好みもかなり反映されています。好きな作品の点数が低くても怒らないでね!


◆アルドノア・ゼロ 8.4/10.0


※分割2期だが、1期分をレビュー
ストーリー原案に虚淵玄、キャラクターデザインに漫画家の志村貴子を迎えた、TROYCAとA-1 Pictures共同制作のオリジナルロボットアニメ。さらに音楽に澤野弘之、主題歌にkalafinaを起用、キャストも今注目の声優たちで固めており、製作陣の豪華さからかなり期待度の高い作品であった。実際内容もかなり面白く、続きの気になる予測不可能な展開で目が離せない。古代文明の超技術が発達した火星と、文明の劣る地球との戦争を描いた王道モノだが、火星側と地球側のダブル主人公を用意し、火星のスーパーロボットに対して地球人のリアルロボットが知恵を駆使して挑んでいくという構図が面白く、熱い。音楽や作画はさすがというべきレベルで全体的にクオリティが高いが、しかしながらどうもモヤモヤする部分が多いのも確かだ。火星人が火星に進出して30年かそこらしか経過していないのに異常なほど地球人を古代人扱いしていたり、火星人が力だけで頭の弱い人ばかりだったりする点が個人的に気になるのだが、他にも細かい部分で気になる点を述べる人が多い。ロケットパンチやラストの合体など、火星ロボの世界観にそぐわない中二っぷりにも違和感を覚える。何よりキャラクターの行動心理が理解できず、人物に移入しづらかったのが一番大きな難点に思う。先の予測できなさがこの作品の魅力ではあるが、キャラクターの突拍子もない行動に「?」となることが多かったのは自分の読解不足なのだろうか。しかし、それを差し引いてもかなりよく出来た作品であった。最終回はかなり批判されているが個人的には2期への引きとして続きが気になる良いラストだったと思う。これからどうなるか全く予想できない2期が楽しみだ。


◆グラスリップ 5.6/10.0


青春アニメでお馴染みといえるほどの地位を確立したP.A.worksによるオリジナルアニメ。名作「true tears」「TARI TARI」製作スタッフによる青春アニメということで放送前の期待は相当なものだったが、良くも悪くも(ほとんどの人にとって悪い意味で)期待を裏切るものとなった。福井県坂井市三国町を舞台に、高校3年の夏休みを過ごす5人の仲良し男女グループの前に、未来の声が聞こえるというイケメンの転校生が現れ、主人公・深水透子にもその声が聞こえ始めるというストーリー。要は平和な仲良しグループに転校生という異物が加えられることで関係がドロドロしていく青春ストーリーなのだが、異次元レベルの理解不能な会話、申し訳程度のファンタジー要素、謎のタイミングで静止画を使う演出などなど、雰囲気の良さ以外は「???」と頭を抱えてしまう部分が圧倒的に多く、中盤からはギャグアニメとして楽しみ始める人も現れるほど、「クソアニメ」の名を欲しいがままにしていた。後半は難解さを増し、最終回とその前の1話は考察サイトが出現するほど意味のわからないものとなった。しかし最終回まで見ると、この作品が「純文学」的な雰囲気を狙っていたことが理解できた。未来の声を聞くというファンタジー要素や、転校生の登場など、それ自体は作品の記号的な味付けにすぎない。中島敦「名人伝」、宮沢賢治「夢十夜」、カミュ「追放と王国」、またエッシャーの絵画「昼と夜」など、作中作の登場に物語性を託し、雰囲気や会話劇の描写に重きを置いている。そういった文学的作風を狙ったと考えるとこのアニメの見え方も変わってくるが、だとしても製作者のオナニー感は拭えない内容である。EDテーマも作品の雰囲気に合っていなかったり、作中にまでデフォルメキャラを登場させる演出があったり色々と半端であった。意欲作だとは思うが、世間的にどうしてもクソアニメのレッテルを貼られてしまった残念なアニメである。


◆月刊少女野崎くん 8.5/10.0


ガンガンONLINEにて連載の4コマ漫画原作。男子高校生にして実は売れっ子の少女漫画家である野崎くんに片想いする佐倉千代が、告白したつもりがアシスタントになってしまうことから始まるギャグアニメである。この二人の他にもたくさんの魅力的なキャラクターが登場し、ツッコミ担当の佐倉以外ほとんどがボケキャラというカオスな相関図が野崎くんの描く漫画を中心に出来上がっている。キャラの魅力、テンポの良さ、ギャグの面白さすべてが高水準で、多くの人にオススメできるアニメである。ただ面白さはネタそのものよりもキャラクターの設定のみに集中しているため、どんどん新キャラを出すことに頼りすぎている感じがあり、キャラの関係性やバランスは悪かったように思う。野崎くんがボケ、佐倉がツッコミ、その間に入る御子柴の3人くらいがちょうど良かったが、キャラが増え野崎くんがツッコミに回る等は違和感があった(漫画脳で変な行動に走る野崎くんが、同様に漫画の影響で変な行動をとる後輩・若松にツッコミを入れる等、矛盾があった)。そういう意味で、どちらかというとキャラに萌えられる女性向けの内容といえる。話も1話と最終話は群を抜いて面白かった(最終話は他と比較しても相当良い最終話だった)が、それ以外はマンネリを感じる部分もあった。とはいえ今シーズンの中でもかなり優秀な作品であったし、主題歌はOP、EDともに最高。佐倉の声優は新人ながらバッチリハマっていてとても可愛かった。個人的にも愛せる作品。


◆さばげぶっ! 6.7/10.0


原作は少女漫画雑誌の大手「なかよし」だが、とても「なかよし」連載とは思えない。サバイバルゲーム部に強制的に入部させられた主人公・園川モモカとそれを取り巻く人物によるギャグアニメである。主人公がとんでもなくゲス、かつ他のキャラも強烈で、メタ発言のオンパレードなナレーション、ぶっ飛んでいてなんでもありな展開など、良い意味で「これは酷い」という内容。サバゲーの描写はすべて妄想という設定で血が噴き出しまくるという過激さもあり、女の子が可愛いだけのラノベ的ギャグとは一線を画するものだ。「なかよし」侮りがたし(実際なかよしで連載されていることも本編中ネタにされていた)。ただ正直ギャグの質は低く、「これは酷い」というノリそのものを「くだらなくて好き」になるか「つまらなくて嫌い」となるかで完全に好みが二分しそうである。個人的には全然面白くないと感じながらも、ノリ自体がそこまで嫌いじゃなくなんだかんだ最後まで楽しめた。しかしやはり基本的には全く笑えず寒い話も多かったし、メインキャラは個性的でありながらその特性を全く活かせておらず、そのくせ次々と単発キャラを登場させる等、ギャグとしてはB級のクオリティであった。キャラで笑いをとれていたのは主人公とレズっ娘のうらら、そしてサブキャラのからあげレモン氏くらいだろう(サブキャラなのにからあげレモン氏が一番面白かったし最も存在感があった)。キャラ萌えアニメというわけでは無いのでギャグがつまらないと厳しいだろうが、それでもこのハチャメチャさが嫌いじゃないという人は多かったはず。OPとEDはともに良く、特にEDは今シーズントップクラス。言い忘れていたが本格的なサバゲー要素はもちろん皆無。それが「さばげぶっ!」。


◆残響のテロル 7.3/10.0


ノイタミナにて放送されたオリジナルアニメ。監督に渡辺信一郎、音楽に菅野よう子という「カウボーイビバップ」のコンビにより手掛けられている。人を殺さずに爆弾テロを行う二人のテロリスト「スピンクス」、その仲間になり巻き込まれてしまう女子高生・三島リサ、テロ犯人を追う刑事・柴崎を主役に少しずつ真相が解き明かされていくというストーリー。作画、演出、音楽のクオリティはどれも圧倒的で、特に音楽はアニメBGMというレベルではないほど素晴らしく自分もサントラを何度も愛聴しているほどだ。しかし肝心のストーリーはかなり粗末に感じた。まず、政治家や警察の動きの描写が基本的に甘く非常に幼稚である。普通なら「アニメだしサスペンスアクションだから」と許せるレベルかもしれないが、テロや左翼思想など過激なテーマを扱う以上そこはしっかりしてほしかった。そのせいでどうしても「スタイリッシュテロアニメ」という中二感が滲み出ていたように思う。序盤の謎解きにもかなり無理矢理さを感じていたが、トドメは中盤登場するハイヴというキャラクターである。このキャラが常識ハズレかつ無茶苦茶な戦略で主人公たちテロリストを追い詰めていく展開が一気にこの作品のリアリティを崩壊させた。さらに空港をチェス盤に見立てた頭脳戦など謎解き合戦的展開もゲンナリである。はじめからぶっ飛んだ知能バトルモノと思って見ていればマシだったのだろうか、作品全体の雰囲気からリアルかつシリアスな政治的作品を期待してしまったせいでひどいギャップを感じてしまった。人物の行動心理も描写不足感があり、移入できるのは柴崎くらいだった。後半アテネ計画という真相が明らかになり始めるあたりは面白く、この時点ではまだこの作品にも希望を持っていたが、ラストのヘリ狙撃が何度考えても意味不明すぎて、このせいで個人的に駄作のレッテルを貼らざるを得なくなってしまったのが悲しい。観覧車のシーンなど素晴らしい場面も多く、惜しい作品なだけに残念である。ただ、以上のことが気にならない人も多いだろうし、アニメのクオリティはピカイチなのでそういう人にとっては最高の作品にもなり得るだろう。


◆人生相談テレビアニメーション「人生」 6.4/10.0


ガガガ文庫のライトノベル原作アニメ。「人生」というタイトルからシリアスな作品を想像させるが実際は完全ギャグである。第二新聞部である男主人公・赤松がお悩み相談コーナー設立のため、各分野のプロフェッショナルであるヒロインを集め人生相談に協力してもらうという内容で、寄せられた相談に答えていく形式で話が展開する。が、その内容は非常にしょーもなく、回答もあってないようなもので、相談自体は話の種にしかならない。話そのものも本当にくだらなく、ギャグはテンションと勢いで押し切るくせに不必要なエロが盛りだくさんなあたりはまさに正統派「クソアニメ」といったところである。しかしこのクソさ・B級感をあえて狙っている感じがあり、個人的にもこのノリは嫌いじゃなかった。それでいて男キャラの本妻が一人に絞られ、ハーレム構成でありながらラッキースケベは本妻にしか起こらないという徹底ぶりは評価できる(聞いた話だが原作では全員とハーレムするらしくアニメで改変されているというのも高評価である)。主人公・赤松もはじめは好きになれなかったが、途中から彼のむっつりスケベさに共感できるようになったし、そういう意味で視聴者を投影できる良い主人公といえる。基本的には寒い内容なのだがたまに声を出して笑えるシーンもあり、パロネタも斬新なものばかりで笑えた。しかし耐えられないレベルにつまらない部分も多く(この辺りは好みだと思うが)、後半生徒会との対決展開へ走ったのも微妙。第一新聞部の存在も個人的にとても寒く、もっと第二新聞部をメインに「人生相談」という題材を上手く活かした内容なら良かったのではないかと感じた。後半やっと登場する美術系ヒロインも無理矢理なじませたような違和感で、正直いらない子という感じが否めなかった。だが女の子の可愛さは抜群で、本妻である理系の梨乃がデレる展開なんかは最高にブヒれるし、特に体育会系のいくみは個人的に今シーズントップといっても過言ではないキャラクターだった。


◆スペース☆ダンディ シーズン2 8.1/10.0


監督に渡辺信一郎、音楽に菅野よう子、その他スタッフも『カウボーイビバップ』を手がけたメンバーが多く携わるSFコメディアニメの第2期。1期同様に1話完結で、非常に豪華なアーティストが作品に携わっており、そのクオリティはピカイチ。「研ぎ澄まされた適当、磨き抜かれたいい加減」というコンセプトもそのまま、ハイクオリティながらメタ発言や楽屋オチ、パロディが多用された非常にくだらない内容で展開される。主題歌も1期から変更なく、ブランクも短いので「2期」という感じは薄いが、1期の最大の欠点であった「脚本のつまらなさ」が2期で大きく改善されたように思う。1期は「音楽も作画も演出も全てが素晴らしいのに話がつまらなすぎる」という印象があり、好きな人は好きなノリだろうが個人的には「このくだらなさが良い」という地点まで辿り着かなかった。それでもいくつか面白いと思える「当たり」の話もちらほらあったが、2期ではその「当たり」が格段に増えている。サイケデリックで哲学的な話やトレンディドラマ風の話、ミュージカルなど話のバリエーションも増え、毎回毎回まったく話の表情が違うので、次はどう来るのかという楽しみが1期以上に増した。特殊エンディングもかなり増え、確実にパワーアップしている。特に20話「ロックンロール★ダンディじゃんよ」、22話「同じバカなら踊らにゃ損じゃんよ」は超がつくほど最高で、その中でも22話はスペースダンディのおバカさの完成形、まさにスペースダンディに求めていたものはこれだ!と感動するほど素晴らしかった。しかし、毎回制作スタッフが大きく変わるので話によって好みが分かれるのは当然だとは思うが、どうしても話ごとの「ムラ」はかなり感じた。全く面白いと思えない話もやはりまだいくつか存在したので、毎回一定の面白さがあればもっと良かったのにと思ってしまう。とはいえ1期の頃から思っていたことだが、そのムラさえもこの作品の魅力といってしまえるモノであり、こちらも身構えずにダラっと見る分には最高のアニメといえる。


◆あいまいみー -妄想カタストロフ- 8.0/10.0


正式名は『ちょぼらうにょぽみ劇場第二幕 あいまいみー -妄想カタストロフ-』。一期同様5分枠のアニメで、いまざきいつき監督が編集など大半の作業をひとりで担う低予算作品だが、一期より少しだけ尺が伸びており、作画などのクオリティもかなり上がっている。声優陣も芸人のR藤本など謎のキャストが増え、挿入歌も多く、1期より確実にパワーアップした内容といえる。肝心の中身は相変わらずマジキチさに磨きがかかっており、1期以上に上級者向け、かつ攻撃力が増しているように思う。特に「石運び」「イトウ」は一期の「FX」と並ぶ伝説的なエピソードといえるだろう。1期はいろんなエピソードを部分的に組み合わせて1話を構成していたが、2期は尺が伸びたこともあり原作に忠実にエピソードを再現出来ていたし、原作の大ファンである自分からしても、エピソードの選出が「わかってる」ものばかりであった。演出など含めても原作への愛を感じられる素晴らしいアニメ化である。ただ、スタッフの原作愛が強すぎるが故に、コアなファン以外を突き放す部分もかなり感じられた。特に最終回は(個人的には面白かったが)悪ふざけが過ぎた感すらあった。とはいえもともとが鬼のように人を選ぶ作品なので、むしろよくぞここまでやったともいえる。個人的にはあまりにも好きすぎる作品。このシーズンで一番の毎週の楽しみでとにかく爆笑させてもらった。3期もぜひ。


◆東京喰種 5.9/10.0


週刊ヤングジャンプ連載の漫画原作だが原作は未読。現代の東京を舞台に、人の姿をしながら人を喰らう「喰種(グール)」という種族を描くダークファンタジーで、人とグールのハーフ的存在である主人公を軸に人間とグールの種族戦争が描かれる。人類が新種族に立ち向かう作品はよくあるが、新種族であるグール側を主人公サイドに置く視点は斬新で、元人間である主人公が望まずしてグールとなり両者に理解を示していく構図はとても面白い。1話のつかみは完璧であった。しかし個人的には、最後まで見てかなりイマイチな印象であった。この作品でよく批判されがちなのは終わり方だが、発表こそなかったもののその時点で2期の制作は決定していたようなので、(2期モノだとしてもこの終わり方は酷いが)まだ目をつむるとしよう。問題なのは話が薄っぺらい点である。原作未読者にも伝わる端折り方で、心理描写をおざなりにしているくせに、くどいシーンはとことんくどい演出が鼻につく。深いテーマを扱いながらも結局は強い敵や面白いキャラクターだけで盛り上がり、Cパートでは雰囲気ぶち壊しのオマケ(これは賛否あるだろうが個人的には最低)をやるあたりにも所詮キャラアニメという感じが漂う。最終回は不必要なほど長ったらしい拷問シーンがただただ不快で、今まで大した心理描写もないくせに急なトラウマ設定と問いかけでの覚醒、そこで終了という酷い内容。薄っぺらいプロローグをだらだらやるだけの1クールだったと言っても過言ではない。原作ファンが批判しているのもよく見るので、アニメの構成や演出が完全に劣化だったようである。作画は良い方だが原作の美麗で独特な絵の感じは表現できていないのでは?規制シーンも多すぎて、ここまで画面が規制で真っ黒になるくらいならもう少し見せ方で上手く出来なかったのかと萎えた。正直アニメ化した意味がわからない。褒めるところはほぼ無いのだが、死ぬほどつまらないかと言われるとそこまでではなく、少年漫画的な熱さは所々にあるので、見れないレベルでは決してない。一定以上のクオリティは保たれており、OPとEDも最高峰であった。展開的に二期はもう少し面白くなるのだろうが、制作に恵まれていない作品と言わざるをえないためあまり期待できない。


◆信長協奏曲 8.9/10.0


今シーズン1のダークホース。「のぶながコンツェルト」と読む。「ゲッサン」連載の漫画原作で、フジテレビ開局55周年プロジェクトとしてTVアニメ、実写ドラマ、実写映画の3媒体で同時に企画された。その皮切りとなったアニメは、アニメ制作会社が携わらずフジテレビ局内のCG事業部で直接アニメ制作を行うという異例の作品となっている。ロトスコープとCGを組み合わせた作画は少しのっぺりしていて苦手な人も多いかもしれないが、アニメ全体のクオリティは非常に高い。アニメ制作会社を介していないにも関わらず最高峰の演出で、音楽も素晴らしい。声優陣も凄まじく豪華だが、ただ豪華なだけではなくその実力を最大限に引き出す見事なキャスティングで、演技に感心するシーンも多かった。あらすじは「歴史が苦手でノリが軽い高校生サブローがひょんなことからタイムスリップし、顔がそっくりな織田信長と入れ替わってしまう」というもので、これだけ見るとありがちでとてもつまらなそうだが、実際は「信長を題材にした作品」で一番面白いのでは?と思えるほど秀逸なストーリーであった。タイムスリップして信長と入れ替わるという描写は信じられないほどアッサリで、主人公がタイムスリップした現実と向き合ったり、信長と入れ替わったことを受け入れる描写は一切ない。プロローグとして数分で片付けられ、もう信長となって少し時が経った時点から本編がはじまる。この超速展開の導入にはじめは驚いたが、後から考えるとこの思い切った構成がテンポ良く素晴らしい。現代語を多用するサブローに翻弄される部下たちが、困惑しながらもサブローのカリスマ性と行動力に惹かれ、新しい信長が歴史を切り拓いていく様はとてつもなく痛快で面白い。歴史モノながら決してお堅いことはなくギャグもかなり笑える。ものすごく展開は早いが気にならない上手い見せ方なので、全10話という短さながらつまらない展開が無くすべての話に無駄がない。元信長が明智を名乗る話などは鳥肌が立つほどで、他にも震える展開、泣ける展開も多く、抜群のエンターテイメント性であった。惜しむべくは物語の途中で終わってしまったことだ。半端とはいえ綺麗にまとめたいい終わり方ではあったが、これだけ面白いので完結まで見届けたかった(原作が未完なので仕方ないが)。正直ドラマなんかよりこっちを2クールでしっかりやってくれたら、神アニメと呼べるものになっただろう。薄い望みだが二期を切望する。それほど素晴らしい作品。


◆幕末Rock 7.8/10.0


非常に評価が難しい作品。個人的には数年に一度の大傑作といえる伝説的な作品なのだが、「全話腹筋崩壊」という殺人的な面白さが果たして製作者の意図するところなのか不明なため高得点をつけづらい。原作はPSP発売のアドベンチャー・リズムゲーム。あらすじをあえて引用というかたちで紹介すると、"幕府直属の最高愛獲(トップアイドル)・新選組による“天歌”(へブンズソング)で支配された幕末の世が舞台。幕府の行動に疑問と憤りを感じる志士(ロッカー)達は、“Rock”の力で革命を起こす。"というもので、個人的にはこの時点で爆笑できる。しかし、所謂「クソアニメ」的な面白さを期待して見てみると、テンポも良く、何気に展開も熱く、意外と続きも気になり、アニメとしての娯楽性は非常に高い。結局面白さは爆笑のクソ展開に取られてしまうが、そのクソ展開も実は狙ってやってるのではという疑問がわくほどハイセンスである。狙っているとしたら脚本家を天才と呼ばざるを得ないし、狙わず真面目に作ってるとしても天才と呼ばざるを得ない。「チャージマン研」や「カブトボーグ」を彷彿とさせる衝撃である。さらに、演奏シーンで何故か服が脱げる(この時点でも十分おかしい)のだが、その脱衣アニメーション専用の「パージアニメーター」なる作画スタッフが用意されているなど、ツッコミどころが細部にまで及ぶ徹底ぶりである。最初に述べた通り全話腹筋崩壊レベルの面白さで、話のバリエーションも幅広く全く飽きない。楽曲のクオリティも無駄に高く、キャラクターも愛せる人物ばかりなので、クソアニメとしてはこれ以上無い最高の出来なのだが、やはり「どこまでマジなのかわからない」内容なので評価は難しい。高得点をつけづらいが個人的には伝説的作品として強くプッシュしたい。


◆ハナヤマタ 8.3/10.0


「まんがタイムきららフォワード」連載の漫画原作。所謂「きらら枠」と呼ばれるアニメは大体可愛い女の子の日常ゆるふわアニメという感じだが、この作品も女の子は可愛いながらしっかりストーリーがあり、鎌倉を舞台に「よさこい」に青春を捧げる女子中学生たちの学園青春アニメである。実際話自体はものすごくベタな部活もので、部を結成して部員を集めて大会に出ようとするも多くの障害が…という、言ってしまえば「ラブライブ」に酷似した内容である。空港に走って迎えに行ったり、最後の大舞台にギリギリで間に合うところまでラブライブにそっくりで、ストーリーとしては既視感だらけだが、つくりは非常に丁寧だし、見せ方も上手く全体的に好感が持てる優等生という感触。キャラデザは好みが分かれそうだがとても可愛く、全体的に淡い色彩で統一された作画も非常に良い。特に第一話の、桜が舞う神社で踊りながら背景に花火が上がるシーンなんかは、そのシーンだけで一気に引き込まれる映像美であった。新人声優の初々しさもキャラにハマっており、キャラに深く移入できる。可愛さはそれはもうあざとすぎるほどでやたらとゆりゆりしいのだが、可愛いのだから仕方がない。ギャグも面白いし、ひとつひとつの場面が愛おしいと思えるほどだ。そういった「見せ方」が上手いので、既視感だらけのストーリーもそこまで鼻につかず、素直に楽しむことが出来た。物語終盤の展開もベタではあるがやはり感動的で、ホロリと泣ける。見て損はない内容であるが、やはり優等生止まりという感じは否めず、悪くはないんだけど突出して面白くはないという地味な位置づけとなってしまった。もう少し「よさこい」というものを深く描けたら良かったのだろうが、よさこいという最大のテーマが割とオマケ程度の要素になってしまっていたのが残念である。意外性のある展開もなく予定調和だらけだが、ひねくれずに観たら十分楽しめる作品。そして何よりOP主題歌。EDテーマも素晴らしいが、OPは数年に一度の名曲である。劇中でOPが流れるシーンはことごとく感動的で、楽曲の強さを実感する。原作は未読だがスタッフ愛も感じられ、綺麗にまとまった良作である。


◆ひめゴト 6.7/10.0


「男の娘系ラブコメディ4コマ漫画」原作の5分枠ショートアニメ。その内容は「公式が病気」と言わんばかりの酷いものである(褒めてる)。主人公・有川ひめ(♂)が、家の借金を生徒会に肩代わりしてもらう代わりに、高校生活を女装して過ごし生徒会の犬となってもらうという条件を突き出されるストーリー。これを見ただけでも十分酷さが伝わるだろう(褒めてる)。要は男の娘を題材にしたギャグアニメだが、「男だから許される」と乳首出し放題、その他ひどい下ネタだらけ。パンツごしのもっこり、キャンタマ揺れシーンはノルマのように毎回登場する。登場人物の呼び名も「18禁」「運子(うんこ)」など隙のないひどさ。更には主人公・ひめくん以外にも当然のように男の娘キャラが登場、男装女子まで出てくる始末。もはや誰が男で誰が女かわからず、途中から性別などどうでもよくなってきたらその時点でこの作品に洗脳されてしまった証拠だ。下半身に何がついていようが関係なく、登場する男の娘がみんな可愛い。終盤でひめくんを襲う男たちが放つ「俺たち…目覚めちゃったんだよねぇ!」という台詞が視聴者のすべてを代弁している。ギャグもエピソードもとりたてて面白くはないし合わない人には全く合わないだろうが、個人的にこの酷さがやみつきになり好きだった。無駄に主題歌はOPもEDも良い。良質なB級アニメであった。


◆普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。 8.2/10.0


『まんが4コマぱれっと』連載の4コマ漫画原作。千葉県流山市をモデルにした「流川市」を舞台に、タイトルのまんまローカルアイドル、略して「ろこどる」に普通の女子高生が挑戦していくというストーリー。他のアイドル系作品とは違い内容は非常にのんびりゆったりとした日常系という感じだが、ギャラやスポンサーの話など非常にリアルなローカル事情がしっかり描写されており面白い。「魚心くん」というゆるキャラもいい味を出しており、ろこどるの存在が地域で少しずつ認識されていく展開など、見ていて温かい気持ちになれる。「魚心くんソング」「ああ流川」などのテーマソングもローカル感がリアルで、「流川市」という場所が(モデルがあるとはいえ)本当に存在しているような気分になる。登場人物は全く個性がないキャラクターばかりだがそれさえもローカルっぽくて良い。特に主人公・なにゃこはカリスマ性もなく、タイトル通り普通の女子高生で、声優も新人でたどたどしい感じだが、それ故にみんなに愛されるという部分をきちんと本編でも描いていて、実際にとても愛せる主人公を作り上げているのは素晴らしい。物語はとくに毒も盛り上がりもなく平和で、百合要素がやけに強い萌え豚ホイホイな作風だが、ここで特筆したいのは最終回である。「流川ガールズ」なるろこどるユニットの新曲を、散々引っ張って最終回、ろこどるの大会にてやっとお披露目するのだが、この「流川ガールズソング」という楽曲がとにかく素晴らしい。単純に楽曲の良さもさることながら、歌詞がローカルアイドルならでは、さらにはこの作品を総括する内容で、最終回まで引っ張ったのもうなずける。ライブシーンの作画も素晴らしく、フルサイズで流すのに全く長く感じさせない演出も凄い。のんびりした平和な展開から、最終回では他のアイドル作品に負けない内容で、予想外にも感動してしまう。全体的に見るとどうしても地味で印象が薄い作品であるのは否めないが、「ろこどる」を描く作品としてはそのくらいが丁度いいという感じで、とても好感の持てる作品である。


◆Free!-Eternal Summer- 7.9/10.0


京都アニメーションによる水泳アニメの、ちょうど1年ぶりとなる2期。ライトノベル『ハイ☆スピード!』を原案としているが、1期同様にアニメはオリジナルストーリーである。2期は1期からひとつ学年が上がり、高校3年生となった主人公たちの卒業や進路が描かれる。相変わらず必要以上にホモホモしい展開で腐女子歓喜な内容だが、スポ根として純粋に面白いという点も1期から変わっていない。むしろ2期になってストーリーはさらに良くなったといえる。2期ではライバル校・鮫柄学園の登場人物が増え、鮫柄サイドが多く描かれている。それぞれの登場人物が卒業後の進路について別々の悩みを抱え、それが自分たちの「泳ぎ」に影響し、すれ違いが生じていく展開が面白い。特に新キャラ・宗介のエピソードは非常に熱く感動的であった。ホモォ臭こそ強いが、なんだかんだ男ならではの葛藤・熱さが相変わらずしっかり描かれている。また、1期ではカマホモとして忌み嫌われていた似鳥というキャラが、2期でものすごく成長する様が描かれるのもとても良い。男目線でもキャラクターに移入できる作品である。個人的に1期からお気に入りだった竜ヶ崎怜というキャラが、終盤で「本当に卒業しちゃうんですか…?」と主人公に言い寄るシーンは不覚にも涙してしまった。最後のリレーのあとみんなで抱きあうシーンにもホロリときたし、まさかこの作品に泣かされるとは…。しかしラスト、遥の葛藤が、海外に行って割とアッサリ解決してからの展開は少々お粗末に感じた。最後のリレーシーンも抽象的でアッサリしすぎているように思う。1期もそうだったが、どうしても内容は表面的でツッコミどころが多いのは残念である。スポ根として面白いとは言ったが、どちらかというと青春モノとしての面白さで、スポーツモノとして幼稚な内容なのは否めない。しかし2期作品としては1期の内容を踏襲した上で登場人物の成長とその後をしっかり描いており、2期の鑑といえる内容だと思う。ギャグも相変わらず京アニクオリティで個人的に好きだし、世間的に風当たりが強い作品だが自分は支持したい。


◆まじもじるるも 7.3/10.0


『弱虫ペダル』でお馴染み、渡辺航先生による漫画原作。平凡な高校生・柴木耕太がひょんなことから魔女「るるも」を召喚してしまう魔女っ娘コメディという内容で、非常に王道な作風はひと世代前の夕方くらいにやっていたアニメのようなノリを感じる。主人公の変態っぷりが小学生レベルな点なんかもまさに昔のアニメという感じだ。あくまで王道コメディであり展開にはそこまで盛り上がりはなく、1話完結で平和な内容。取り立てて面白いというものでもないが、この古いノリが個人的にも好きで、丁寧で好感が持てる印象。地味な作品ながらこのシーズンの癒やしとなっていた。最終回は特に、このシーズンの中でもとりわけ見事なもので、シリアスなラストかと思いきややっぱり日常回でした、というオチの付け方は脱帽モノであった。主人公・るるもはあざといがやはり可愛く、他のキャラクターもなかなか魅力的。OPテーマもこのシーズンでは上位の素晴らしさであり、アニメとして一定以上のクオリティでしっかり纏められている良作である。ただ観ている最中は「悪くはないが退屈」という印象がなかなか払拭できず、どうしてもパッとしない作品となってしまった。それも含めて「ちょうどいい平凡さ」ではあったのかもしれない。


◆六畳間の侵略者!? 7.0/10.0


ライトノベル原作の、SILVER LINK.制作によるアニメ。「家賃5000円・敷金礼金無し」の格安物件に引っ越した主人公・里見孝太郎(高1)のもとに、その部屋に棲みつく地縛霊の少女・その部屋を防護する魔法少女・その部屋の地下にあった祭壇の再建を企む地底人・その部屋を儀式の特定地点とする銀河皇国皇女とその護衛(もちろん全員が美少女)が一斉に部屋に押しかけるという、まさに「クソアニメ」的ハーレムコメディ。さらに原作では数日掛けて1人ずつ登場するらしいのだが、アニメでは全キャラが一話で一気に押しかけてくるという、「クソアニメ」さに拍車を掛ける改変が行われている。ヒロインのジャンルがあまりにもごちゃごちゃなのが面白く、個人的には大好きなクソアニメっぷりである。キャラも最初はあまり魅力を感じなかったものの回を重ねるごとに段々可愛く見えてきて、非常に優秀なクソアニメであった。時折挟むシリアス展開も、ギリギリ不必要に感じない丁度いい塩梅で、全体的にかなりバランスが良い。新人声優のキャスティングも良く、主題歌もよく、かなり好印象な作品である。とはいえやはり内容は所詮クソアニメ、つっこみどころは山ほどある。序盤の六畳間を奪い合う陣取り展開も気付いたら完全に消えていて、様々な設定がどんどん無視されていく。カブトムシネタもさほど面白く無いのに引っ張り過ぎだったし、基本的にはつまらない内容。原作が長いので仕方ないが様々な伏線・謎を回収しないまま、結局ドタバタハーレムコメディのテンプレを全うして終了という感じ。結局よくあるラノベ原作クソアニメで終わってしまった。設定的に面白くできる要素がたくさんありながらあまり掘り下げ切れなかったのは残念である。しかしこの作品の評価すべき点は、各キャラのデレていく過程が非常にしっかり描かれているところで、キャラごとのエピソードがとても丁寧であるため、先ほども述べた通り段々キャラが可愛く見えてくる。この点はあまりにもチョロく主人公にデレる他のクソアニメに勝る魅力であり、同系統の作品から一歩抜きん出た長所といえる。だからこそおざなりになってしまった設定、つまらない部分が勿体無い。ちなみに僕はレインボーゆりかが好きです。


※「ヤマノススメ セカンドシーズン」、「毎度!浦安鉄筋家族」は2クールあるため、放送終了後この記事に追記します


アニメレビュー点数まとめ→こちら

2013年アニメレビュー→こちら
2014年アニメレビュー→こちら
| すなっふ | 2014年アニメレビュー | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
2014年春アニメレビュー
◆対象作品
・2014年春アニメで筆者が全話視聴したもの(途中までしか観ていない作品は対象外)

※点数は10.0点満点。
9.6〜10.0点…びっくりするくらい面白い。神アニメ。
8.6〜9.5点…ものすごく完成度が高く、よく出来ている名作。
7.6〜8.5点…最高に楽しめる秀作。
6.6〜7.5点…惜しいところもあるが面白いし良作。
6.0〜6.5点…色々残念だがなんだかんだで楽しめる作品。
5.9点以下…最後まで見てしまう魅力はあるがイマイチ。
(あくまで目安です)

点数は話の面白さ、作画や演出のクオリティ、アニメとしての魅力などを考慮してつけていますが個人的な好みもかなり反映されています。好きな作品の点数が低くても怒らないでね!


◆悪魔のリドル 6.0/10.0


ギャグアニメとしてはこのシーズン最高峰のクソアニメ。何度爆笑させてもらったか。一人の女子高生を暗殺するため生徒全員を暗殺者で固めたクラス「10年黒組」で、主人公東兎角はターゲット一ノ瀬晴に心を惹かれ彼女を暗殺者から守るというストーリー。暗殺者として育てられたいたいけな少女たちが自らの望みのために殺しあうシリアスな内容のはずだが、つっこみどころ満載のぶっ飛び脚本、ガバガバの設定で、もうギャグアニメでしかなかった。そもそも暗殺を行う前にターゲットに予告状を出すルールがあったりと、もはや暗殺ですらない。ひとつひとつの展開に「??」とクエスチョンマークが浮かぶその展開は「脚本家はむしろ天才なのではないか」と疑うほどであった。特に「心臓にナイフを突き刺されたが肋骨にチタンが入っていたので助かった」という展開は、未だにニコニコ動画の他のアニメのコメントで「チタンが入っていれば…」というコメントが散見されるほど伝説と化している。基本的には一話完結で毎回新しい刺客が主人公と対峙するスタイルだが、その話でメインとなり主人公に敗れるキャラクターのキャラソンが毎回EDで流れるため、「負けたらCDデビュー」という勝手な設定を視聴者側につけられニコニコ動画では祭り状態となっていた。さらには原作ストックが6話辺りで切れるというスタッフの見切り発車っぷりもこのアニメのネタ要素にトドメをさしている。何から何まで隙のないクソっぷりで散々ネタにされているが、なんだかんだで皆から愛されているアニメでもある。個人的にも大好きで、その特筆すべき理由はキャラクターの個性の強さによるものだと思われる。メインキャラ13人の中にまずボクっ娘が二人いることから、キャラの個性の強さを察していただきたい。そのキャラたちが毎回一人ずつスポットを当てられ、「負けたらCDデビュー」というルールのもとキャラソンを歌う流れがわかりやすく面白かったし、百合要素も匂わせる学園モノとして、ネタ的にも盛り上がりやすかった。このような「愛されるクソアニメ」は狙って作れるものではないしそういう意味では奇跡的な良作であったといえよう。個人的には年齢不詳のばあちゃん首藤涼、裁定者の走り鳩が好きでした。


◆一週間フレンズ。 8.1/10.0


月刊ガンガンJOKERで現在も連載中の漫画原作(原作者はなんと平成生まれである)のアニメ。日本テレビ「ZIP!」で特集が組まれるほど世間的な知名度も高い人気アニメとなった。一週間で友達との記憶をなくしてしまう病気をもつ藤宮香織と、それでも友達になりたいと何度もやり直し仲を紡ごうとする主人公、長谷祐樹との青春ストーリー。友達以上恋人未満という関係の甘酸っぱい青春が、「一週間で記憶がリセットされる」という舞台装置の上で展開されるが、ストーリーの割にそこまでシリアスにはならず、内容は非常にハートフルである。後半はその病気の真相に近づきシリアスな展開も増えるが、全体的には心あたたまる青春ストーリーであり、その甘酸っぱさにはたまらないものがある。連載中の原作は読んだことがないのだが、アニメでは最後まで「恋に発展しそうだけどあくまで友達」という関係性を貫くもどかしさもまた良い。アニメの演出なども淡いタッチの絵柄に合った内容で全体的にクオリティが高い。特にEDテーマにスキマスイッチ「奏(かなで)」のカバーを起用したのは素晴らしい選曲で、ネタバレだが最終話でのみ2番の歌詞が流れる演出には完全にしてやられた気持ちになった。主人公の長谷くんが女々しくてウザすぎるという意見もかなり多く目にしたが、個人的にはこの女々しさとウザさが思春期の高校生っぽくてリアルだなあと感じた。むしろごく個人的に、藤宮さんの天使っぷりの方があざとすぎて少し気になったとも感じる。個人的にこのアニメにそこまで入り込めなかった原因はそこかもしれない。非常によく出来たいい作品ではあるが過大評価されすぎているようにも感じた。人気が出たのも安易にわかりやすく、アニメというより実写ドラマのような内容であったことが大きいのでは。関係ないがすぐに実写化しそうな作品である。ただ、ありがちな恋愛ドラマに比べ、あくまで甘酸っぱい友情と青春を徹底して描いた内容の暖かさは評価したい。とても優秀な良作。


◆彼女がフラグをおられたら 7.5/10.0


今までのクソアニメをすべて過去にした、クソアニメ界の革命児であり化け物。通称「がをられ」。ライトノベル原作のこの作品は、人の立てたフラグが目に見え、それを折ることができるという能力を持つ主人公・旗立颯太とそれを取り巻く美少女たちの学園ハーレムラブコメという感じだが、安易に一言で説明できる作品ではとてもない。人と関わらないようにする主人公の意に反し個性的すぎる美少女がどんどん集まってきてハーレムになっていく内容などはいかにもありがちなラノベ的展開だが、あまりにもツッコミが追いつかないほどのぶっ飛びっぷりで完全に一線を画している。ツッコミどころが多いというより、ツッコミどころしかない。話の最後に重要な引きがあったかと思うと、その引きを次の話のアバンのうちに回収、その後全然関係ない話をやるなどやりたい放題。だがそのドタバタっぷりが面白い。基本的にラブコメのノリで展開されるが唐突にシリアスな要素を混ぜ、伏線を張ってくるので脳の処理が追いつかないスピード感でぶっちぎられる。それでいて最終的にはそのシリアスな伏線を見事完璧に回収、学園ハーレムモノだったはずが「平行世界」「仮想空間」などのいかついワードも飛び交いラストは壮大なファンタジー・アクションSFのようななんでもアリっぷりで幕を閉じる。しかしながら、無駄に脚本の完成度は高く、物語としては破綻することなく綺麗にまとまっているのも恐ろしい。聞いた話だが原作ではガバガバの設定をアニメではオリジナル要素を入れかなり綺麗に改善しているらしく、アニメスタッフの愛と本気がうかがえる。しかし、シリアスな展開をあまりにもシリアスに描きすぎるのがかえって中途半端にも感じられた。あくまでドタバタ学園ラブコメをベースに、もう少しライトな見せ方であった方が楽しめたのではないだろうか。内容が想像以上に重く難解であるため困惑してしまう。視聴者がこのアニメに求めていたものからあまりにも外れすぎた感じがあり、「クソアニメかと思いきや無駄に秀逸な脚本」というせっかくの魅力がもったいなく感じた。しかし「超ダダ甘やかされ学園ラブコメ」というテーマが最後まで貫かれているところは評価できるし、個人的にはラストのシリアス展開も嫌いではなく、最終回は素直に感動した。10人が見たら8人はつまらないと言いそうなほど人を選ぶ作品だが、アニメスタッフの愛を感じられる良作であると自分は評価したい。


◆健全ロボ ダイミダラー 8.0/10.0


今シーズン最高の問題作である下ネタロボットギャグアニメ。女の子にエッチなことをすることにより発生する「Hi-ERO粒子」をエネルギーとして稼働するロボット「ダイミダラー」が、股間にしっぽ(あくまでしっぽ)をそそり立たせるペンギン帝国に対抗し平和を守るというあらすじだけでも最低な内容。完全にギャグだがそのギャグセンスがかなり高水準でとにかく笑わせてもらった。徹底して下ネタなので人は選ぶと思うが、「シックス」というキャラの名前を曖昧に発音するなどのくだらなさは最高である。ロボットデザインがひたすらださいのも笑いを誘うが、それでいて内容はしっかり胸熱なロボットモノをやっているところが何よりこのアニメ一番の魅力であろう。脚本の熱さもさることながら作画も驚くほど無駄にクオリティが高く、地上で戦う重量感あるロボットの戦闘には迫力がある。原作は未読だがアニメオリジナル要素も多いらしく、ダイミダラーの完全変形やロボットの関節の動きなどはアニメスタッフの腕によるところだという。恭子とヘンリーの、種族を超えた愛の話もロボットアニメの王道として作られたオリジナルエピソードらしく、「これはロボット作品だ」という誇りが感じられる。主題歌も王道ロボットアニメソングという感じで圧倒的な熱量を持っており、内容のくだらなさとのギャップはただただ最高という他ない。1話を見た段階では「面白いけど途中で飽きそう」という印象があったが、第6話で主人公が交代するという熱い展開もあったりと、ギャグのノリはずっと一定でありながら全く飽きさせない展開なのも素晴らしい。特に最終回は手放しで最高といえる内容。昨今の表現の規制に対する切実なメッセージ性を込め、エロを通じて敵と和解するという終わり方はあまりにも完璧であった。ただ、やはりあくまで「くだらないギャグアニメ」というラインを超えることはできなかったようにも感じる。これほど熱い内容を持った作品だからこそ、もっと胸が熱くなる展開が更にあったら良かったとつい欲を出してしまう。現在新章が連載中なのでそれもぜひアニメ化していただきたい。

また公式サイトの素晴らしさについてもぜひ特筆しておきたい。スタッフの愛を感じられるアニメ作品は素晴らしい。
http://penguin-empire.com/
(音が出るので注意)


◆極黒のブリュンヒルデ 5.0/10.0


名作「エルフェンリート」を生み出したことで有名な漫画家・岡本倫による漫画原作のアニメ化作品。非人道的な人体実験から生まれた「魔法使い」と呼ばれる少女たちが、「鎮死剤」と呼ばれる延命の薬を飲みながら自分の運命に対抗していくというストーリーで、内容がどことなくエルフェンリートにも似ていることからどうしても比較されやすい。いたいけな少女たちが無残に殺され、死んでいく残酷な内容でありながら、唐突なハーレムラブコメ展開が挟まれる点などもいかにも岡本倫節である(そしてその内容の変態性の高さもさすが岡本倫という他ない)。エルフェンリートでもそうだが過剰に話をくさくする癖があるのか、この作品も正直安っぽい感動やシリアスな展開が多く、つっこみどころも満載である。しかしヒロインは可愛いし特有のギャグハーレム展開が意外と面白く、そういう作品だと割りきってハードルを下げてしまうと普通に楽しめる作品であった。人を死ぬほど選ぶが個人的には好きなアニメという感じで、このノリが好きという人も多かっただろう。しかし最終回付近で完全に物語が破綻、好き嫌い云々以前の駄作と化してしまう。特に最終回はかの有名な「ソードマスターヤマト」をギャグでもなんでもなくマジで再現してしまうという驚きの無理やりっぷりで、唐突に新しい設定を出しまくるなどご都合主義にご都合主義を重ねたむちゃくちゃな内容。明らかに尺が足りず無理やりまとめた感じでラストのEDテーマの入り方も(EDテーマはせっかくの名曲なのに)もはやギャグであった。この最終回はのちに語り継がれる伝説となり得るだろう。最初からそういうクソさがあればギャグアニメとして楽しめたかもしれないが、最後の最後で急に破綻し、しかも原作にはないオリジナルとしてやってしまったせいもあって、最低な原作レイプとなってしまっている。音楽も、インストの曲を起用した主題歌は良いセンスであるが劇中で流れる曲はものすごくダサかったり、最終回付近は目も当てられない作画崩壊があったりと、色々とお粗末な内容であった。完全にアニメスタッフの失態であり、途中までのノリが好きだった人は原作を読むべきであろう。何かと残念な作品。


◆ご注文はうさぎですか? 7.5/10.0


通称「ごちうさ」。安定の「まんがタイムきらら」枠であり、ひたすら女の子が可愛く中身はない日常系アニメ。完全に「きんいろモザイク」の流れを継投する作品である。もはや様式美といってしまっても良いほど、内容はスカスカである。ただ他の日常系アニメに比べてもさらに「シュール」の方向にギャグのベクトルが向いており、つっこみ不在な展開も多く「よくわからないけどクスっとしちゃう」という独特の笑いを武器にしている。こういった作品の、女の子の可愛さを絶妙に邪魔しない中身の無さは簡単にできるものではなく、伝統芸といって差し支えない。このような、頭を空っぽにしてただ癒されるアニメの存在は貴重である。しかし少しだけ気になるのはこの作品、舞台設定が謎なのである。まず、舞台である国がわからずキャラの国籍も不明(漫画ではキャラの名前は日本風の漢字表記になっているがアニメでは「ココア」「チノ」などの呼び名しか出てこないためわからない)、アンティークな街並みだが普通に現代のスマホ(きちんと現実にある機種)を使っており、更には元人間だった言葉を喋るうさぎが出てくる等のファンタジー要素もあり、物語中そのような設定には一切触れない。世界観をぼかすことは決して悪いことではないのだが、個人的に日常系作品としては致命的な「距離感」を感じてしまい、入り込みづらかった。そしてこの作品、謎のお色気シーンも多く、下着姿など露出の多いシーンが多々見られるのも、この作品のふわっとしたかわいい雰囲気との違和感を感じずにはいられなかった。各話のタイトルも元ネタがあるのかないのかよくわからない題名だったりと細かい部分で謎が多く、ちょっとしたところで統一感がないようにも思えた。そのような点で、個人的には雰囲気が似ている「きんいろモザイク」と比べ少し劣ってしまった感じもあるが、これは本当に個人の好み程度の問題であり、優秀な日常系アニメであることに変わりはない。「かわいさだけをブレンドしました」というアニメのキャッチコピー通り、本当にただただ「可愛い」が詰まっているという点では文句のつけようがない。主題歌も中毒性の高い最高の1曲である。余談だが筆者はリゼシャロ推し。


◆シドニアの騎士 8.8/10.0


月刊アフタヌーンで連載中の漫画原作によるSFアニメ。1000年前に奇居子(ガウナ)と呼ばれる生命体に太陽系を滅ぼされ、宇宙を旅する船「シドニア」で生活する人々が、再び出現したガウナに立ち向かうというストーリーで、シドニアの最下層で誰とも関わらず祖父と二人きりで生活してきたいわば「古代人」のような存在である主人公・谷風長道とそれを取り巻く環境の、ラブコメ的要素も含んだロボットアニメであり、いわゆる「主人公天才系」作品であるともいえる。全編3DCGが使用されている作品であるが、背景など一部には手書きが用いられており、その作画技術は圧巻であった。音響にも非常にこだわりが感じられ、作画と音響の迫力は凄まじいなんてレベルではない。画面から飛び出してくるのではないかというほど、SF映画並みのド迫力であり、SFファンにはたまらないものがあるだろう。ロボットの設定も非常に細かく、ロボットファンも垂涎必至の内容であることは間違いない。実際SFやロボットモノが苦手な筆者ですら大興奮するほどである。基本的に用語に横文字や外来語がほぼ無く、ロボットの名前も「継衛」「衛人」だったり、ミサイルを「誘導飛翔体」と呼ぶなど、ロボアニメでありながら東洋的な世界観を感じさせる設定も斬新で素晴らしい。実際内容はかなりのハードSFであるため専門用語も多く、筆者のようなSF素人には置いてけぼりにされる内容も多々あるのだが(ニコニコのコメントに助けられた)、それでいながらそういったSF素人すら熱くさせる内容は凄い。劇中音楽も素晴らしく、時折あるギャグも面白く、さらに胸熱な展開がところどころに用意されているため飽きない。毎回一話の引きも良く、続きが気になって仕方がなかった。クオリティ面では100点満点な内容であるが、個人的な読解力不足のせいで手放しで楽しみ切ることができなかったのが残念。これは完全に自分のせいだが説明的な描写が一切無いので「なんかすげー!」という感じでついていけない部分も多かった。また、1期の段階ではあまり物語は盛り上がらず、これから面白くなりそうな部分で終わってしまう。各話に胸熱な展開は用意されてはいるのだが、全体的に物語を俯瞰してみると非常に地味である。とはいえ二期の制作がすでに決定しているので何の問題もないのだが。続きが非常に楽しみである。そしてこの作品、女性陣が全員とてつもなく魅力的すぎることも最後に特筆しておきたい。ガチSFファンもそうでない人も楽しめる素晴らしい王道ロボットアニメ。


◆selector infected WIXOSS 8.0/10.0


オリジナルアニメ。分割二期モノで、秋から「selector spread WIXOSS」の放送が決定している。タカラトミーから発売されたカードゲーム「WIXOSS」と同時進行でスタートしたいわば「販促アニメ」であるが、それにしてはとんでもなく内容がダークである。企画段階で大人をターゲットにしていたということもあるのだろうが、しかしながらカードゲームのアニメ化作品とは思えないほど重苦しくシリアスなストーリー。「セレクター」と呼ばれる少女たちが残酷なカードバトルに巻き込まれ、その凄惨な運命に立ち向かうという内容は、どこか「まどか☆マギカ」を連想させる部分も多い。だが序盤の脚本はイマイチで、鬱要素をチラ見せしつつもあまりピンとこない内容で、正直最初は期待できなかったし切ろうかと思ったほどだった。しかし中盤以降一転、完全にダークホースとしての頭角を現し始める。物語が真相に近づくに連れ目が離せなくなり、衝撃の展開の連続。特に話題にもなった8話は開いた口が塞がらないほどだった。細かい設定や脚本は雑で欠陥も多いのだが(一度バトルするとルリグが疲れて寝る設定がどこかに消え普通にトーナメントで連戦している等)、それを補うほどの衝撃で一気に物語にのめり込んでしまう。また演出は良く、特に音楽が素晴らしい。トランスやダブ・ステップ等の打ち込み音楽を多用しており、バトルシーンはカードのルールがわからない視聴者にも迫力を与え夢中にさせるほどである。主題歌は曲の良さもさることながらOP、EDともに入り方が毎回秀逸。各話の副題・次回予告など、細かいところまでダークな世界観をしっかり統一させており、作品のクオリティは高いといえる。1期最終回も衝撃的な終わり方をし、次の展開を期待させるラストとしては100点満点の内容であった。脚本・設定面でつっこみどころも多いので不安もあるが、まだ明らかになっていない謎が二期でどのように化けるかが非常に楽しみであり、人は選びそうだが個人的には大好きなアニメ。


◆ハイキュー!! 9.5/10.0


週刊少年ジャンプ連載のスポーツ漫画原作のアニメ(原作未読)。高校生の男子バレーボールという、作品としては珍しい題材である。キャラデザや絵柄から腐女子の餌という感じが漂っている(実際その通りだ)が、超能力要素が全く無いリアルな王道スポ根として非常に胸が熱くなる素晴らしい内容で、性別問わず楽しめる作品である。王道スポ根としては珍しいW主人公という構図がとても面白く、犬猿の仲で凸凹コンビである二人だからこそ生まれた必殺技を駆使して臨んでいく試合展開は目が離せない。あえて難点を挙げると、急に不自然な長ゼリフを挿入して感動させようとしてくるシーンが多く、説明的でくさい上に流れをいちいち断ち切られるのが鼻についたが、後半は展開の熱量に圧倒され、そういったくささが全く気にならなくなっていた。キャラの性格にもあざとさを感じるが、そんな些細な問題はどうでも良くなるほど試合展開が熱く、のめり込んでしまう。気付くと無心でボールを追う、「おおっ」と声が出てしまう、そんな観客の立場をアニメで味わえてしまうのは、展開ももちろん迫力ある作画の力も大きいだろう。ドラマ性としては奇抜な展開もなく正統派という感じだが、個人的に最も評価したいのは負ける側、脚光を浴びない側をしっかり描く展開を中盤設けたことだ。それがあるからこその感動と試合の重みがあり、1シーン1シーンにグッとくる。ジャンプ漫画の王道スポ根としてスラムダンクの意志を継ぐ名作と讃えられるこの作品、アニメでも一刻も早く続きが見たいものだ。


◆棺姫のチャイカ 7.7/10.0


※分割2期作品だが1期分をレビュー
ひつぎのチャイカ、と読む。ライトノベル原作の正統派ファンタジーアニメであり、剣と魔法のRPG的な世界観を持つ冒険活劇だ。それ故の中二っぽさはどうしてもあり、魔法を唱えるときの詠唱などは慣れるまでアイタタという感じなのだが、同系統の作品と比べても設定などがかなり丁寧に作り込まれており好感の持てるアニメである。こういう作品にありがちなバトル漫画的な要素もほとんど無く、世界観を無視したラノベ特有の寒いギャグも皆無であるため、内容自体はかなり地味なのだが、シリアスな雰囲気でじわじわと物語を展開させていく徹底した世界観で好感が持てる。また、敵味方ともにとても有能に描かれており、無理やりな展開やつっこみどころも皆無である。何よりヒロインであるチャイカは非常に可愛く、地味な展開の多いこの作品を輝かせる存在だ。太眉は正義。後半は物語の真相に迫る展開を見せ、最終回も分割2期モノのラストとして、今後の展開が気になる素晴らしい終わり方であった。作画も戦闘シーンなどかなり高品質であり、ほぼ非の打ち所がない作品ではあるが、1期の段階ではそれにしても内容が地味すぎてどうしてもパッとしない作品止まりなのは否めない。よくできているが垢抜けないという印象で、見ていて退屈になる部分も多かった。特に序盤は物語がこれから面白くなる要素を全く感じられず、一度視聴継続をやめるほどであった。2期からは物語がさらに動きだし、今まで以上に盛り上がってくれることを期待している。ベースが整っているだけにまだまだ化ける可能性のある期待の作品。


◆ピンポン THE ANIMATION 9.5/10.0


ノイタミナ枠で放送された、言わずと知れた有名作品のアニメ化。松本大洋による原作が大好きで、かつ監督が筆者の大好きな湯浅政明ということもあり、期待は相当なものであったが、その期待を一切裏切らない素晴らしいアニメ化であった。基本的な話の流れは原作通りではあるが、アニメオリジナル要素が想像以上に多くキャラクターも何人か追加されている。特に百合枝というキャラの追加、そしてチャイナのエピソードの追加は大きく、ここは賛否が分かれそうでもあるが個人的には良い改変であったと評価したい(スマイルに即敗北し卓球をやめるチョイ役の江上をアニメでここまで描いたのも最高である)。また卓球のルールをはじめ、様々な点が現代風に書き換えられている等、アニメ化による時代相違をしっかり埋める徹底ぶりがうかがえる。ペコがラケットを処分するシーンが書き換えられているのも、それをラストシーンへ繋いでくる演出はさすがであった。ここまで原作との相違点を先に評価してしまったが、ストーリーは非常に熱いスポ根青春モノでとにかく胸が熱くなる内容。つまらない回が一話も存在しないほどで、各話の見せ所と次回への引きにひたすら夢中になってしまう。作画・演出はさすが湯浅監督という感じで、斬新で独特ながら非常に目を引きつける。副題の入り方も毎回ため息が出るほどカッコイイ。劇中の音楽はagraphこと牛尾憲輔とオオルタイチという最高の布陣で、音楽的評価も高い映画版に負けない仕上がりである(サントラをコンプリートBOX特典にする商法には物申したいところだが作品の内容とは関係ないので黙っておく)。爆弾ジョニーによる暑苦しい主題歌も最高で、OPの映像が本編の決勝戦に繋がる演出にはただただ感動。まだまだ、良い点を挙げればキリがないほど素晴らしすぎる完成度であったが、強いて言えば試合の演出はもう少し良い描き方があったのではないかなと思ってしまう。漫画のコマ割りのようなカットを多用したり、試合の様子をあまり詳細に描かなかったり、湯浅監督特有の斬新な演出で面白いとは思うが意見の割れそうな演出が他にも多々あり、個人的にも少し引っかかった。とはいえそんな些細な内容はどうでもよくなるほど素晴らしい作品。筆者は原作信者だが、原作を超えたといっても過言ではないほど見事なアニメ化である。


◆ぷちます!! -プチプチ・アイドルマスター- 6.7/10.0


THE IDOLM@STERからのスピンオフ作品。インターネットにて配信された約2分30秒のショートアニメで、平日毎日更新の全74話。今回は二期となり、1期より話数も増え、原作にないオリジナルエピソードも増えている。また、1期と違い基本的に1話完結となっており、1期よりもキレが増した印象を受ける。テンポが良くなり、1期より格段に面白くなったのではと最初見ていて思った(1話が最高に面白かった)のだが、話が進むに連れやはり1期から変わらず安定の中身の無さ。正直全く面白くはなく、アイドルマスターが好きすぎる人が見て可愛さに癒やされる、完全にファン向けの内容である。が、筆者も何を隠そうアイマスファン(響推し)なので、面白くないと思いながらも毎日更新を楽しみにしていた。ぷちどるが可愛いのでただただ癒されるし、毎日更新のショートアニメとしては十分な内容であったと思う。作画は二期からパワーアップしたようにも感じ、話によってやたら動きのキレが良い回もあって楽しめた。ごく個人的にりっちゃんの可愛さもパワーアップしている気がして感無量である。1ヶ月毎に変更する主題歌も良く、ファン向けの作品としては十分魅力的なアニメであった。アイマスファン以外はあまり楽しめない内容だと思われるのでオススメはしない。


◆僕らはみんな河合荘 8.2/10.0


ヤングキングアワーズ連載の宮原るりによる漫画原作のアニメ化。親の転勤により「河合荘」という下宿に住むことになった男子高校生の主人公が、そこに住む先輩・河合律に恋心を抱きながら個性的な住人のドタバタに巻き込まれていくコメディ。なかなかハードな下ネタや、宮原るり特有の生々しいギャグが多く、同じ作者の作品「恋愛ラボ」といい個人的にはかなり苦手なノリで寒く感じるギャグも相当多かったのだが、ストーリー性の強い内容のため後半は慣れてそこまで気にならなかった。ギャグのノリやキャラの生々しさから人を選ぶだろうが好きな人は好きという感じで、そこさえクリアしてしまうとかなりよく出来た作品であり、むしろノリを苦手と感じる筆者でさえここまで面白いと思わせるだけの素晴らしい内容といえる。特筆すべきはなんといっても残念で魅力的なキャラクターたちであろう。酒癖の悪いアラサーOL、男をたぶらかすビッチ女子大生、真性ドMの変態男という住人たちが、主人公と文学少女ヒロインとの青春をぶち壊していく構図が面白い。恋愛が進展しなくて退屈という批判もいくつか見かけたが基本的にギャグだし、むしろいつまでも発展しない主人公とヒロインのもどかしさも個人的には最高。確かに大きな展開は無いが各話安定して面白く、ハズレ回がない。キャラクターのリアルさに拒否反応を起こす人も多いだろうし、胸糞悪くなる展開も見られるが、その人間臭さこそこの作品の魅力であるだろう。変人だらけのこの下宿がなんだかんだで一番落ち着くという描き方が非常に上手く、河合荘の心温まる印象をしっかり視聴者に与えてくれる。これだけ下品で生々しいネタを盛り込みながら最終的に優しい気持ちにしてくれる、他に例を見ない作品の雰囲気こそこのアニメ一番の魅力である。ヒロインの河合律はあざといほど可愛く描かれているが、それを素直に可愛いと受け取れたことも個人的に楽しめた要因として大きい。OP、EDは曲も映像も文句の付け所がなく、作品全体の色彩の雰囲気もかなり凝っていて、アニメとしての完成度も非常に高い。人を選ぶ作品ではあるが、これを春アニメで一番に挙げる人も多いほど好きな人にはたまらない作品である。個人的にも2期が是非観たい。


◆マンガ家さんとアシスタントさんと 7.3/10.0


通称「マンアシ」。漫画原作の15分アニメである。ド変態で漫画家な主人公と、それを取り巻くアシスタントや編集の女の子たちのドタバタギャグという内容。この内容だけ聞くといかにもクソアニメという感じで、絵やキャラデザも個人的にあまりいい印象を受けず、正直全く期待していなかったのだが素直に爆笑できる良作であった。内容は想像通りひどく下品なギャグだが、想像以上に笑える。それも主人公の声優を務める松岡禎丞の演技の素晴らしさによるところが大きい。彼の「今どっから声出したんだよ」という変な声だけで爆笑できる。実際内容は毎回同じようなギャグの繰り返しで単調なのだが、15分という長さもちょうど飽きない程よい尺で、安定して楽しむことが出来た。最終回のくだらないラストもこの作品らしくてよくやってくれたという感じである。またこんな内容でありながらあまりエロ展開や安易なラッキースケベはなく、最後まで幼稚な下ネタで押し切ったところはかなり好印象である。惜しいのはキャラがあまり魅力的でないことか。足須さんやみはりちゃんなど全体的には悪くないのだが、どうもパッとしない印象を受ける(好みの問題ともいえるが)。ずば抜けた面白さこそないが、B級なノリのアニメとしては文句なく最高といえる良作であった。


◆蟲師 続章 9.8/10.0


2005年〜2006年に放送された第1期から8年を経て再びアニメ化された第二期。原作6巻以降から選ばれたエピソードがアニメ化されている。分割2クールなので現時点ではまだ終了していないが、ここでは1クール分をレビューする。実は筆者はこの作品を気になりつつ見たことがなく、原作も1期も通っていないのだが、一話完結で前編視聴が不要ということなので見てみたら驚いた。あまりにも凄まじいクオリティである。映画並に美しい作画と音響で、相当なこだわりと苦労が素人にも伝わってくる。実際に作画に手書きを多用したり、ガンマイクを使って音を録ったりと、「そんなところまで…」という細部へのこだわりを「蟲語」という座談会のような特別編にてスタッフが語っていた。劇中の音楽も民族楽器を使って極めて自然に「鳴って」おり、世界観の構築においては他のTVアニメが足元にも及ばないレベルの1級品である。それでいて「大人向けの昔話」のような脚本も素晴らしい。目立って大きな展開もなく、淡々としている上に似たような話も多いので単調に感じる人もいるだろうが、各話非常に丁寧に話が作られているしあくまで「作風」といってしまえる些細な問題である。話が終わり、ナレーションからエンディングに行く流れで毎回その美しさにため息が漏れる。二話「囀る貝」を見た時点で「これはとんでもないアニメだ」と実感したが三話「雪の下」が完全にそれを越えてくる内容だったのでこのアニメの底の見えなさに戦慄したものである(3話は完全に泣かされてしまった)。1期を観ていないので比較することは出来ない(評判では1期のほうが良いという意見も多い)が、これほどまで完成された世界観を持つアニメを他に知らない。日本が誇るべきアニメーションである。


◆ラブライブ!2nd season 8.7/10.0


人気アイドルアニメの第2期。1期時点ではそこまでだった自分も、2期が始まるやいなや気が狂ったようにこの作品にハマってしまい、正直客観的なレビューは難しいのだが努力する。1期はアイドルアニメと見せかけて実際は学園青春モノで、廃校を免れるためスクールアイドルを始める9人の少女の友情や成長が描かれていた(詳しいことは2013年冬アニメレビューを参照して欲しい)。続編となる2期は、1期で叶わなかった「ラブライブ」というスクールアイドルの大会への出場と、3年生の卒業に焦点が当てられた内容となっている。作画など1期より少しクオリティに進化が見られるが、相変わらず脚本は色々残念な部分も多く、ご都合主義で雑な展開がところどころに垣間見える。むしろ2期はどうでもいいエピソードもかなり多く、1期のほうが芯が通っていて脚本は安定していたようにも感じるのだが、1期を上回る感動と興奮が2期にはある。この「冷静に見ると雑な脚本なのに最終的に感動してしまう」というのはこのアニメ最大の武器であろう。そう思わせられるのはキャラの魅力と個性を丁寧に描いていることと、微妙な脚本を感動的なものに変身させる演出の素晴らしさによるところが大きい。1期は基本的に話が次回へと繋がるストーリー性の強いものだったのに対し、2期前半はキャラ一人一人に焦点を当てたエピソードもあり、人物へより移入できる(特に凛ちゃんに焦点を当てた5話は文句なしに素晴らしい回であった)。また、「snow halation」を歌う9話は、脚本は粗末でありながら胸が熱くなる演出にまんまと大号泣してしまった。このシーンは、歌と踊りの映像だけでここまで人を惹きつけることができるのかと驚愕するほど素晴らしい。4年前の楽曲で一番の名曲と言われるこの曲を1期で使わず2期9話という最高のタイミングまで待って起用したのも熱く、8話からの引きも含めてリアルタイムで見ていて心から興奮した。3年生の卒業とグループの存続に焦点を当てる後半は毎週泣かされてしまうほどで、特に11話は放送時にネット上でもかなり話題になるほどの神回であった。卒業をからめた展開から「けいおん!!」の後半を連想する人も多かったようである。とはいえ実際1期からのファン向けの内容であり、いかにも泣かせに来る展開などが安っぽいと言われれば正直否定は出来ないのだが、自分のような廃人を多く生み出すほど力のある作品であることは間違いない。2期からの新曲も非常に素晴らしく、古い曲もところどころに使用したりと楽曲ファンにも嬉しい内容で、やはり楽曲の良さもこの作品の大きな魅力である。最後は続きを匂わせる終わり方から劇場版製作決定のアナウンスで幕を閉じたが、劇場版には不安も感じつつファンとしては素直に楽しみである。


アニメレビュー点数まとめ→こちら

2013年アニメレビュー→こちら

2014年冬アニメレビュー→こちら
| すなっふ | 2014年アニメレビュー | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
2014年冬アニメレビュー
◆対象作品
・2014年冬アニメで筆者が全話視聴したもの(途中までしか観ていない作品は対象外)

※点数は10.0点満点。
9.6〜10.0点…びっくりするくらい面白い。神アニメ。
8.6〜9.5点…ものすごく完成度が高く、よく出来ている名作。
7.6〜8.5点…最高に楽しめる秀作。
6.6〜7.5点…惜しいところもあるが面白いし良作。
5.6〜6.5点…色々残念だがなんだかんだで楽しめる作品。
5.9点以下…最後まで見てしまう魅力はあるがイマイチ。
(あくまで目安です)

点数は話の面白さ、作画や演出のクオリティ、アニメとしての魅力などを考慮してつけていますが個人的な好みもかなり反映されています。好きな作品の点数が低くても怒らないでね!


◆いなり、こんこん、恋いろは 8.3/10.0


今期のダークホース的作品。EDテーマが僕の好きな坂本真綾という理由だけで何の前知識もなく見たが、これは良いラブコメ。バスケ部の男子に思いを寄せる主人公の女の子が、ひょんなことから手に入れた変身能力で彼に近づいていくという設定はまるで少女漫画のよう。まさに王道ラブコメであるが、京都を舞台にした作品の雰囲気や音楽も良く、なにより登場人物の京言葉が物凄くリアル!なのである。実際関西出身の声優を起用したり、方言指導を徹底したりと、かなりのこだわりがあるようで、可愛い声の京言葉を聞くだけでも癒されてしまう。主人公はじめ登場人物がみんなとても良い性格で、描かれる恋愛模様はとても微笑ましく癒されるものでありつつ、ギャグも爆笑できるレベルに面白い。これは完全に今期一番の面白さだなと楽しみに見ていたのだが、結末が微妙な地点に着地してしまったのが惜しくて仕方ない。恋愛方面はほとんど発展せず、神様と人間の禁断の友情という話で最後まで描いてしまったため、その両方が中途半端になってしまった感じが否めない。恋が始まろうとする段階だけ見せられて最後は神様のお話で終わってしまったので、もうちょっと恋愛の発展を見たかった…というのが個人的な感想。全10話と短いため、あと2、3話あったらまた違ったのだろうか。とはいえ、綺麗にまとまった良作なのは間違いない。EDの坂本真綾「SAVED.」も名曲だが、OP「今日に恋色」もびっくりするほどの名曲である。


◆ウィッチクラフトワークス 8.1/10.0


魔法少女ならぬ魔女っ娘。ガールズ&パンツァーなどを手掛ける水島努監督による漫画原作のアニメ作品で、敵対する二つの魔女の勢力に主人公の男の子が巻き込まれていくファンタジー・コメディ。学校中の憧れ的存在であるヒロイン・火々里(かがり)さんが、何の変哲もない普通の高校生男子である主人公・多華宮くんを守る使命をうけた魔女だったというストーリーは、急に学校のマドンナと親密になる王道男の浪漫設定でたまらない。キャラクター数は非常に多く、終盤まで毎回新キャラが出てくるほどであるが、さすが水島監督というべきかキャラクターの立ち回りはかなり上手く描かれている。主人公と敵対する魔女のグループも全員にくめないキャラで、すべての登場人物が本当に愛おしい。特にメインヒロイン火々里さんの、クールでポーカーフェイスながら主人公に激甘溺愛な性格は見ていてニヤニヤするほどで何度多華宮くんになりたいと思ったか。キャラクターの魅力だけでも素晴らしいが、世界観設定も深く作りこまれていて、古典的な魔女要素を現代の舞台に上手く取り入れているのは見事。テンポやノリも良く、CGを取り入れた作画も良い。すべてがよくできた作品だが、後半はその作りこまれた設定が話をどんどんややこしくしていき、ダレてしまったように自分には感じられた。キャラクターもうまく立ち回らせているとはいえ、やはり多すぎた感が否めなく、めちゃくちゃな展開についていけなくなってしまう。それでいてあっさりと終わるので見終わった後の余韻が少なかった。そこまで許せないほどの失速ではないが、序盤の期待が非常に高かった分少しだけ残念である。しかし良いアニメなので2期も是非やってほしい。fhanaによる主題歌の良さもさることながら、EDテーマの中毒性が凄まじい。


◆うーさーのその日暮らし 覚醒編 6.9/10.0


5分アニメ。今回で二期となる作品で、一期とは大きくスタッフが変わったということだが、見ている時は全くそれに気づかなかったほど一期の雰囲気をそのまま受け継いでいる。1コマコラム漫画が原作ということでかなり独特なノリがあり、好き嫌いは極端に分かれそうな作品だが一期のころから個人的に大好きで、二期も相変わらずブレないノリなので最高。二期は一期以上にコラボネタ、パロディネタに走りすぎてしまった感じも否めないが、もともとかなりマニア向けな作品だったのでそれもアリか。相変わらず宮野真守の演技が冴えておりこの作品の面白さの大部分を担っていると言っても良い。最終回がまさかのシリアスだったのには驚いたし後味悪く感じたが、ところどころにパロディが仕込んであったり、急なシリアスなのに思わず泣けてしまう演出だったり、ものすごく完成度が高い。万人にウケるものではないしちょっと面白い程度なのだがそういうポジションのアニメとしては文句のつけどころがなく、一期をそのままレベルアップさせた優秀な二期と言えよう。EDテーマがやたらスタイリッシュというミスマッチ感も最高だった。それにしてもトゥーン調の絵柄なのに女の子が可愛すぎる。


◆最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 6.5/10.0


通称「いもちょ。」BPO(放送倫理・番組向上機構)の目に止まり放送時間を変更させられたことで話題になった問題作だが、これは素晴らしく酷いアニメだった(褒めてる)。家の複雑な事情で義理の妹となった主人公・美月がエロい幽霊・日和に取り憑かれ、お兄ちゃんとエッチなことをすることで股間についたTSTと呼ばれる貞操帯のゲージをため、日和を成仏させるという、あらすじだけで酷すぎる内容(褒めてる)。かなり過激で性的なシーンが多く、露骨な光やモザイク、さらには唐突に文章のみでシーンの解説を始めるなどの演出にはいちいち笑わせてもらった。基本的なノリはラッキースケベが連発するご都合主義ラブコメなのだがギャグは素直に面白く、毎回爆笑できるほど。一人のキャストが全員分の声を当てる次回予告も斬新で面白かったし、EDテーマの映像も何度見ても笑える。ただ、ギャグは最高なのだが、色々惜しい点も多かった。まず、シリアスな空気になることも多い作品だがそういったシリアス設定や展開が邪魔に感じてしまった。更に登場人物が基本的にウザいというのも致命的だった。特に幽霊・日和のキャラクターは個人的には気にならないがかなりキツイものがあったと思われる。ねこという謎めいたキャラクターも重要そうなのになんの説明もなし、物語の真相に繋がりそうな伏線も結局何も回収されず、日和が何者かわからないまま終わる。これは原作未完なので仕方ないことなのだが、ギャグが面白かっただけにストーリー面が雑だったのが残念。しかしながら酷いアニメとしてとても楽しめたし面白かった、というのが自分の感想である。ラノベのようなタイトルなのに実は漫画原作なのも意外だが、一番の驚きは原作者が女性ということだ。それにしてもなぜ漫画とここまで作画を変えたのか謎だ。実写映画化が決定しているがさすがに見る勇気は無い


◆スペースダンディ 7.3/10.0


かつて人気アニメを多く手がけた超豪華スタッフが集結して制作されたSFコメディ。カウボーイビバップを手がけたスタッフを筆頭に、大友克洋や湯浅政明などのクリエーターが参加。音楽は菅野よう子をはじめ、岡村靖幸、やくしまるえつこ、向井秀徳、ミト(クラムボン)、agraph、kenken、泉まくら、川辺ヒロシ(TOKYO No.1 SOUL SET)、笹沼位吉(SLY MONGOOSE)、☆Taku Takahashi(m-flo)などなどなど、今挙げただけでも一部という信じられないほどの豪華スタッフ。かつてこれほどアーティストが充実したアニメがあっただろうか?というレベル。「研ぎ澄まされた適当、磨き抜かれたいい加減」というコンセプト通り、最高峰の作画と音楽に対しものすごくマヌケでくだらない内容で、アニメーションを直感で楽しめる昔のカートゥーンアニメのような魅力がある。その点においては右に出る作品はなくさすがという感じだが、個人的にはそれにしても内容がつまらなすぎてびっくりしてしまったというのが正直なところだ。このノリが好きな人も多いだろうし、実際かなり人気の高いアニメだが、各話完結の話が毎回「超展開でいい加減な内容を狙いすぎて滑ってる」と感じてしまった。アニメのコンセプトが「適当、いい加減」なギャグというのはわかるしそれは良いのだがそれにしてももう少し面白くならなかったのか。「このくだらなさが良い!」という域に自分は到達できなかった。しかし後半は少しずつ面白くなってきた感じもある。特にミャウが実家に帰る話は神回と言えるほどの面白さだった。「夜中になんとなくチャンネル回してたらやってたアニメ」としては最高だし、そういう楽しみ方のできる数少ない作品でもある。尻上がり的に面白くなっていたので、夏からの放送が既に決定している2期には期待したい。


◆世界征服〜謀略のズヴィズダー〜 5.7/10.0


岡村天斎監督によるオリジナルアニメで、脚本にTYPE-MOONの星空めてお、キャラデザインにキノの旅の黒星紅白を迎えた作品。さすが黒星先生というべきか、キャラクターの可愛さはトップクラス。世間的にも個人的にも非常に期待度の高いアニメだった。その内容は、世界征服を目論む謎の組織に入れられてしまう主人公がドタバタに巻き込まれて行くというギャグアニメで、良い意味でくだらなくて爆笑できるが、ところどころにどことなく社会的メッセージが込められている気もしなくもない独特な雰囲気がある。前半は一話完結のような構成をとっており、テンポの良さやギャグの面白さ、キャラの可愛さもあり夢中で見れる完成度の高さ。色々と問題となった「喫煙」を題材にした話も、単純にギャグとして面白かった。中盤以降は物語の真相に迫る如く伏線を張り巡らせていき、「ちょっと中だるみしてるけどここから回収して面白くなるだろう」と期待して見ていたのだが、その期待は見事に裏切られる。問題の最終回はそれらの伏線を一切回収せず、さらに新たな敵を匂わせる打ち切り漫画のような終わり方をする。そもそも内容も「これ最終回?」というほど単純につまらなく、唖然としてしまった。世間的にも最初の期待度から一転、一気にクソアニメのレッテルを貼られる結果となった。ガンダムAGE、ヴァルヴレイヴと並び、「最終回で銅像を建てるアニメはクソ」というジンクスまでも更新してしまう。終わり悪ければすべて悪しという感じで、今までの話をすべて無駄にするようなラストには、面白い要素がたくさんあっただけに残念で仕方ない。これだったら最後まで一話完結の話をずっとやってくれた方が良かった。ギャグは最終回まで笑えたし、キャラクターの良さもトップクラスの出来ではあった。また、the band apartと坂本真綾という異色コラボによるオープニングテーマもとんでもない素晴らしさ。大好きなアニメだったので、こんなことになるとは思ってもなかったと結構落ち込んでしまった。残念な作品。しかしれんげちゃんの可愛さとプラーミャ様のエロさは筆舌に尽くし難い


◆そにアニ 8.1/10.0


ニトロプラスのイメージキャラクター、すーぱーそに子のメディアミックスとしてアニメ化された作品。正式名称は「そにアニ -SUPER SONICO THE ANIMATION-」。これ、てっきり5分アニメだと思っていたのだが30分フルサイズあると知ったときは、自分だけでなくニコニコのコメントなどでも「30分もあんのかよ…」という声が多く見られた。それくらい、自分含め全く期待されていなかった。ただのおっぱい推しクソアニメになるだろうと。しかしどうした、このダークホースっぷり。一話から「あれ?全然面白いぞ…」と驚かされ、その後も一話完結で高水準なクオリティを保ち続け、11話ではまさかのマジ泣き、最終回は今まで登場したキャラクターが大集合という、王道ながら最近あまり見ない最高の終わり方を迎え、まるで文句のつけようがないアニメだった。そこまでズバ抜けた面白さこそないのだが、「なかなか面白いな」と思いながら見ていると「これ最高のアニメなのでは…?」と最後の最後で気づかされる(このシーズンが後半失速するものばかりだったので余計に…)。内容もほのぼの癒し回から感動モノ人情ストーリー、ドタバタゾンビ回まで様々で飽きない。色々ツッコミどころも多いが(そに子の本名がすーぱーそに子だったりヘッドフォンしたままお風呂入ったり)、それらのツッコミどころが決してマイナスにならずきちんとギャグとして成り立っている。毎回違うエンディングも非常に凝っていて、よく毎回変えられるなとびっくりするクオリティである。そもそも楽曲が素晴らしい。主題歌「すぱそにっ」はアニソンの中でも屈指の名曲だし、そに子がギターボーカルを務める第一宇宙速度の劇中歌、エンディングテーマも外れがない。そして今まで「そに子なんておっぱいデカイだけじゃん…」と思っていた自分だったが、そに子、完全にブヒれる。めちゃくちゃ可愛いです。これもアニメの完成度の賜物か。そに子の声優は「すーぱーそに子」と表記され正体が明かされていないがそれにしても凄まじく声が可愛い。でも僕は鈴ちゃん派です。えなちん登場の回のみ面白くないのが惜しいが、それ以外は安心して楽しめた。良い作品ほど終わるときの寂しさも大きいがこのアニメもまた終わってしまうのがとても寂しかった。二期が早く見たい。


◆となりの関くん 7.3/10.0


10分枠(実質8分弱)のショートアニメ。地上波での13話に加え、8話が動画サイトなどで配信された。既に全話見たので配信分含めてレビューさせていただく。ドラえもん等を手がけるシンエイ動画初の深夜アニメであり、実際NHKでやっても問題なさそうな、子供も楽しめる内容だった。オタクっぽさも皆無なのでアニメを観ない人でも楽しめそうな作品である。毎回授業中に変な遊びを始める関くんにひたすら心の中でツッコミを入れるだけの話だが、まさにショートアニメにふさわしいほのぼの感がある。しかし見始めたときは「もっと短くても良いのでは?」と思ってしまった。原作も少し読んだことがあるのだが、アニメは無理やり演出を豪華にしてテンポを悪くしているようにしか思えず、「10分もいらなくね?」と何度も思った。しかし後半は、単純に慣れたのもあってか、テンポの悪さはあまり気にならなくなっていたし、素直にとても面白いアニメだった。花澤香菜の声も非常にハマっていて、バリエーション豊富なタイトルコールも毎回楽しみであった。主題歌もよく、OP、EDともにショートアニメとは思えないほど、曲のみならず映像も素晴らしい完成度。特にEDテーマは鉛筆で机の上の物をドラムに見立てて叩いている楽曲だが、その鉛筆ドラムを世界的ドラマーである神保彰が実際に演奏していたりと、細部へのこだわりが凄まじい。作品の内容に合わせたOP・EDで、原作を大切に作られていることがわかる。ズバ抜けて面白いわけではなく、途中からマンネリに感じる部分も多いが、常に安定した面白さを保ち続けた良作。


◆ニセコイ 8.6/10.0


※全20話だが、既に最終話まで視聴しているので全話分をレビュー
天下の週間少年ジャンプで連載中の漫画原作。制作は「物語シリーズ」「まどか☆マギカ」でお馴染みの新房昭之監督とシャフトのタッグによるもの。原作完全未読で見始めて、第一話で衝撃を受けた。観てて恥ずかしくなるとんでもないベタベタ展開。「遅刻遅刻〜!」と言いながら食パン加えて走る女の子と朝衝突し、その子が転校生で「あーっ!お前は今朝の暴力女!!」という教科書に載ってそうな展開をマジでやってのけているのである。更には子供の頃「大人になったら結婚しよう」という約束した相手がおり、その相手候補が何人も出てくるという、既視感しかない(というか完全に「ラブ●な」である)ストーリー設定。第一話にして頭を抱えてしまった。その後も、基本的にはベタベタなラブコメを展開。これ大丈夫かと最初は心配して観ていたが、それにしてもこのアニメ、面白いのである。実際これほどまでベタベタなラブコメは近年非常に珍しい作品である上に、一時期「ラ●ひな」ブームで腐るほど湧いて出た王道ハーレムラブコメには外れが多かったのに対し、「ニセコイ」は本当に近年稀に見る良質王道ラブコメなのである。なんだかんだで「こういうの見たかった」を満たす作品であるといえる。この作品の魅力はなんといってもヒロインが全員ものすごく魅力的であること、そして主人公がウザくないということに尽きる。つまらないハーレムラブコメの大抵は主人公がウザいのである。主人公・ヒロインの良き友人ポジションのキャラもとても魅力的だ。ところどころ、ベタすぎたりご都合主義すぎたりで、観てて恥ずかしくなったり引いてしまったりする場面もあるのだが、ギャグは最高に笑えるし、みんな可愛いし、マイナス点を覆す面白さがある。第1話も初めて見た時は衝撃しか受けなかったがもう一度観てみると「ニセコイ」というタイトルの意味を1話でしっかり回収しており物語の導入としてとても良い完成度である。シャフト特有の演出は原作ファンにとっては肌に合わない人もいただろうし、自分もこの作品にシャフト演出は果たして合っているのかと序盤は疑問だったが、最終的には「シャフトでよかった」と思えるほどニセコイという作品にマッチした演出だったと思う。演出は独特だがなんだかんだで非常に原作に忠実だし、声優もコレ以外のキャストは考えられないというほど凄まじいハマり方で、とても丁寧に作られている。原作は連載中だが、原作をなぞりながらも全20話でものすごく綺麗に終わるのも見事。主題歌も良く、何から何までクオリティが高い。作風的に人を選びそうではあるが、名作と言って差し支えないアニメであった。


◆プピポー! 8.4/10.0


押切蓮介のWEBコミック原作による5分アニメ。正確には2013年の12月末からの放送開始だが2014年冬アニメとして扱わせていただく。5分アニメというと軽く流し見れる内容のものが多いが、この作品はきちんとストーリー仕立てになっており、その内容の濃さは30分アニメに迫るものである。作画の完成度も非常に高く、決して「低予算アニメ」ではなく本格的なショートアニメとなっている。色んなところで「5分なのがもったいない」という感想が見られたほどだ。「人には見えないものが見える」体質をもつ少女が、「プピポー!」と叫ぶピンクでフカフカの生き物と出会うストーリーで、原作が「ハートフルコメディホラーシリアス漫画」と銘打たれている通り、幽霊を題材にしたコメディものかと思いきや、様々な伏線を回収していき、プピポーの正体に迫っていくシリアスな展開、そしてラストの衝撃と感動は本当にショートアニメとは思えないレベルのものがあった。確かに5分なのがもったいないと感じるが、5分という枠できちんと1話1話に見せ所を作り、綺麗に全15話で完結させる構成力は見事という他ない。原作未読だが押切先生の独特のギャグや間をしっかり再現できているように感じる(個人的にこの特有のギャグのノリがたまらなく大好きである)。登場人物も、嫌な奴も含めて本当に全キャラに魅力があって愛おしい。ただ、ニコニコ動画でも配信されていたがいつ配信されているか全くわからなかったり、動画のリンクが貼られていなかったり、宣伝面が弱くあまり話題にならなかったのが非常にもったいなかった。それ以外は本当に完璧。作品の良さは時間の長さに関係ないことを証明したショートアニメの名作。


2014年春アニメ→こちら

2013年アニメレビュー→こちら

アニメレビュー点数まとめ
| すなっふ | 2014年アニメレビュー | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |